『PSA/DNAの実相2〜米国消費者の声から読み解く、その遠景』

トラブル事例集2 (16〜25 PSA編その2)

  前ページに続いて、アメリカの苦情通報サイト Ripoff Report.Com (リップオフ=ぼったくりの意味)からも様々な声を拾っていきます。このサイトには数十件のPSA/DNA絡みのトラブルレポートが寄せられていますが、そのうち十件だけを抽出してここに翻訳していきます。
https://www.ripoffreport.com/

■事例16. (深刻度★★★☆☆) 
※画像あり。
August 12, 2020 Operation Bullpen — San Diego CA United Statesさんの投稿
PSA/DNAが本物と鑑定したスタン・リーのサイン、サイン時期が合致しないことが判明する。
カリフォルニア州サンランドの出品者は、第三者認証会社PSA/DNAによって認証されたファンコトイになされたスタン・リー氏の偽造サインを販売しました。この出品者は、2020年7月13日にこのサインを299ドルで何も気づいていない買い手に販売しました。購入した人は第三者認証会社によって鑑定されているため、そのサインは本物だと思っているかもしれません。しかし、そうではありません。彼らは常に間違いを犯してきた歴史があるのです。事実を見てみましょう。
2018年8月に、スタン・リー氏が今後、公のサイン会に参加しないことが確認されました。※スタン・リー氏のサインイベントを手掛けてきたデザート・ウインド・コミックス社は、スタン・リー氏は今後サイン会には一切出席せず、また、サインのリクエストは8月18日到着分までに限って郵送で受付ける旨の公式アナウンスメントを2018年8月15日に行っています(画像の六枚目参照)。
Gamora 417番のファンコトイが一般発売されたのは、2018年11月のある時期でしたが、スタン・リー氏は2018年11月12日に亡くなっています。そしてこのファンコトイに書かれているサインは、彼の本物のサインとは似ても似つかないものです。
損害額299ドル

https://www.ripoffreport.com/report/kconlinestore/sunland-ca-ebay-seller-sold-1498665

■事例17.  (深刻度★★★★★)  (重大事件)
April 15, 2016 Reported By: Tony — Laguna Niguel California United States of America


一万ドル超で販売されたPSA/DNA社鑑定済のマリリン・モンローのサイン入り写真、偽物と判明する。

カリフォルニア州Laguna Niguelの不動産会社社長、トニー・イングリッシュ氏による体験談(Ripoff, YELP両方に同内容を投稿。YELPにおいては実名顔出しでの告発)

『PSA/DNAは世界でもトップクラスのオートグラフ鑑定会社ということになっているらしいです。私は何年も前からマリリン・モンローが写真にサインをしたものを持っていました。私は現金が必要だったのでオンラインで調べてみたところ、それぞれ1万ドルから4万ドルぐらいで売られていました。それで、本物かどうか心配になりました。そこであるディーラーがPSA/DNAに送って鑑定してもらい、本物なら9500ドルで卸売りしてくれるという話になりました。
PSA/DNAは顕微鏡や高周波ライトなど、数多くのハイテク機器を駆使して鑑定しているということでした。 そこで私は506ドルの手数料を支払い、鑑定に出してみました。その結果、本物であることが判明しました。psacard.com/cert/aa02766 というオンライン認証番号が発行されました。そこで私はEBayに出品し、10,200ドルでそれを販売しました。お金が必要だったので素早いセールにして売りました。実際にバイヤーたちが私に直接連絡してきて、EBayから外して直接売ってほしいと私に頼んでもきました。
 私は倫理に反することはしたくなかったので、短い入札期間を設けて、EBayに出品し続けました。私はいくつかの請求書を支払う必要がありました。お金が届いたとき、私は請求書を支払い、商品を発送しました。購入したのはサインの業者でしたが、やがてアイテムを受け取ると、非常に怒って私に電話をかけてきました。
 彼は、その品物が本物を複写したサインだった、と言ってきたのです。だからお金を返せ、というのです。私はショックでした。お金を使ってしまったので、返せないのです。しかし、EBayは購入者に対してお金を返金し、そして彼は私に写真を送り返してきました。私がPSA/DNAに電話したところ、彼らはとりわけそれが複製品であった場合、我々がそのような間違いを犯すことは事実上ありえない事である、と言いました。そしてもしそのようなミスが起きたのであれば損害賠償を支払い、10,200ドルを買い手に返金すると言われました。PSA/DNAに送ったらもう一度調べると言われましたが、7日ぐらいはかかるということでした。
 しかしながら、2カ月近くは何の連絡もありませんでした。そして、「申し訳ないが、その品物はやはり複製であり、本物のサインではありませんでした」との電話がありました。そして最初の鑑定手数料を返金し、今後の鑑定に利用できる1500ドルのクレジットを提供すると言ってきました。EBayとPay Palは私を締め出し、彼らとのビジネスをキャンセルし、払い戻しのために私を訴えています。そして私は取り立てに遭い、今、私の信用は失墜しています。PSA/DNAは今もなお、私を救済するために必要な損害賠償の支払いを拒否しています。もし本当の専門家をお探しなら、この会社を使わないで他のところを当たってみることをお勧めします。この人たちは本当に無能です。』
損害額1万200ドル

https://www.yelp.com/user_details?userid=rUdxFbyU73BtD9iPPA1T8A
https://www.ripoffreport.com/reports/psadna/internet/psadna-autograph-authenticated-but-it-was-fake-they-call-themselves-experts-but-failed-1299983
https://www.psacard.com/cert/aa02766

※PSAがこのナンバーを取り消していることがわかります。
※『我々はミスを認めたわけではないので損害賠償はできない』ならまだ分かるのですが、『我々がミスは犯したことは認めるが、それによってあなたに生じさせた百数十万円の損害については、責任を取るつもりはない』ということのようです。
なお、同社の提供している直筆サイン鑑定サービスの利用規約には、以下のような文言が明記されています。

『認証・鑑定には個人差があります。判断は主観的であり、専門家の意見を必要とし、その意見は時々変更されることもあります。従って弊社はいかなる保証も行わず、また、いかなる責任も負いません。お客様に対して、弊社が提示した意見に対していかなる責任も負いません。』

それにしても自慢の顕微鏡や高周波ライトの意味は何かあったのでしょうか?そして「PSAは絶対に信頼できる会社説」を唱えてきた某業者は、このPSAのありえないような凡ミスと、その後の無賠償対応にどのような解説を加えてくれるのでしょうか?

■事例18. (深刻度★☆☆☆☆) 
※画像あり。
July 10, 2016 Reported By: Jeff — San Francisco California USAさんの投稿
43年間も所有していた、1973年に直接本人からもらったブルース・リーのサインを鑑定に出したところPSA/DNAに偽物であると言われた。私はお金を無駄にしたことは気にしていないが、間違っているのは彼らの方だ。
損害額175ドル。

https://www.ripoffreport.com/reports/psa/newport-beach-california/psa-psadna-authentication-services-they-gave-me-false-results-on-a-bruce-lee-autogragh-t-1316018

■事例19. (深刻度★☆☆☆☆) 
※画像あり。
Sat, February 24, 2018 Reported By: Karl's Ephemera — Essex Connecticut United Statesさんの投稿
私は、1971年からサインを収集しており、長年に渡り多くの有名人に会ってきました。過去47年間の収集と販売を通して、私はオートグラフについて非常に詳しくなりました。2003年、私は書店でのサイン会でルドルフ・ジュリアーニからサインをもらうために三時間並びました。本のタイトルは、「リーダーシップ」です。これらの本はすべて新品で購入したもので、初版本でした。本の価格は一冊当たり25.95ドルで、サインをもらうのに追加料金はかかりませんでした。ルドルフ・ジュリアーニが私の目の前でサインをしてくれ、書店員はそれぞれの本のジャケットに「Autographed Copy」(サイン入り印刷物)のステッカーを貼ってくれました。
私は後日、それをインターネットで販売し、購入者には35ドル+送料を請求しました。購入者がその本をPSA DNAに送ったところ、PSA DNAは、私が直接もらったサインに対してこれはルドルフ・ジュリアーニの本物のサインではないという見解を示してきました。その意見がいったい何に基づいていたのかは全くの不明です。とても信じがたい無責任な見解を示して五十ドルをポケットに入れるようなビジネスは、明らかに常識を欠いています。
https://www.ripoffreport.com/reports/psa-dna-autograph-authentication-services/newport-beach-california-92658/psa-dna-autograph-authentication-services-psa-psa-dna-professional-sports-authenticat-1430986
※書店でのイベントで座って書かれたが故の筆跡安定性や経路の確かさ。誰でも簡単に判別可能な、実に分かりやすいブックサイニング経由の本物のオートグラフです。どうしてこれがPSAから偽物と言われなくてはならないのか、全く理解に苦しみます。しかも50ドルを徴収したという事は、より精度が低いサービスと思われるクイック・オピニオンの方でもありません。自分でも判断してみたいという意志が少しでもある方は、Rudolph Giuliani LEADERSHIP autograph で画像検索し、様々なパターンと目視比較してみましょう。実際にはこのサインは間違いなく本物であり、「筆跡鑑定のプロ」と称しているPSA側の示した見解が完全なる誤りであることが、たとえ初心者の方でもその気になればよくおわかりになるはずです。
https://www.google.com/search?q=Rudolph+Giuliani+LEADERSHIP+autograph&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ved=2ahUKEwj2lJKH3OH3AhUFM94KHRlIA7gQ_AUoAXoECAEQAw

■事例20. (深刻度★☆☆☆☆) 
January 07, 2014 Reported By: Unhappy — Mayaguez Floridaさんの投稿
私はpsa/dnaが嫌いです、私はpsa / dnaが嫌いです!!!!!私は今年4回、彼らと取引しました、そして彼らはペテンのアーティストであり、彼らは絶え間なく人々をぼったくっていると皆さんに言わせてください。 驚いた、驚いた!それが本物ではないとして戻ってきた!
私は(メジャーリーグ選手の)ジョナサン・シングルトンのサインをこの街でもらいました。なぜなら彼がここでプレイしていたからです。彼は実にグレートで、私のカードにサインをしてくれたのですが、クリス・ブライアント、オスカー・タベラス(いずれもメジャーリーグ選手)のカードも彼らにそれを送ったところ、psa/dnaはそれらを偽物だと言ってきました。彼らは閉鎖されるべきです。
https://www.ripoffreport.com/reports/psadna/newport-beach-california-92658/psadna-psadna-is-a-joke-they-are-ripping-people-off-newport-beach-california-1113724

■事例21. (深刻度★★☆☆☆) 
October 18, 2013  Beatleslover — portland Oregon さんの投稿
PSA/DNAはサインを分かっていない。去年、ビートルズのポール・マッカートニーのコンサートでLPに彼のサインを手に入れました!PSA DNAに認証のために送りましたが、本物だと認証するのを拒否されました!彼らのでたらめな意見の為にとてもお金がかかりました!その価値はありません!専門外のサインに対しての彼らの意見のために、この会社にはお金を払わないでください。
https://www.ripoffreport.com/reports/psa-dna-professional-sports-authenticators/newport-beach-california-92658/psa-dna-professional-sports-authenticators-psa-psa-dna-does-not-know-autographs-says-good-1092970

■事例22. (深刻度★★☆☆☆) 
July 24, 2013 Reported By: BigB78 — Birmingham Alabamaさんの投稿
私はサインを認証してもらうために229ドルを支払いました(さらに今年の初めには100ドル以上)。PSAから戻ってきた商品のパッケージを受け取りました。 その結果、私は非常に失望しました。 私は9つのサイン入りアイテムを送りました。そのうちのいくつかは私が直接サインをもらったものでしたので、私自身が本物だとわかっていましたが、中には確信が持てないものも含まれていました。それなのに、 1つや2つならまだしも、これだけたくさん間違いがあって、しかも全部の書類が、全く同じ理由によって本物とは認められないとして戻ってくるとなると、とても腹が立ちます。 先に送ったセットも全て偽物という見解で戻ってきました。 この大きなミスをどのように処理するつもりなのか、行動計画と同時に、送った商品の全額返金を希望します。 私は周囲から彼らがいつも正しいわけではないという話は聞いてはきましたが、私の依頼品の中では50%あるいはそれ以下の正答率に過ぎないというのは、この分野で最も信頼できる鑑定者であると自称している会社にしては実に低いものです。 私は二度と彼らと取引をすることはなく、私が知っている全ての人にもそうするように言っています。
損害額329ドル以上。

https://www.ripoffreport.com/reports/professional-sports-authenticators/select-stateprovince/professional-sports-authenticators-psadna-unreliable-company-that-cannot-tell-a-fake-fro-1069665
※それぞれ筆跡は全く違うはずなのに、「このサインが偽物である理由」が、九通とも全部同じ内容になっていたということです。単なる偶然なのか、それとも面倒くさくなってコピー&ペースト作業でさっさと書類作成を済ませてしまったのか、そのあたりは不明です。

■事例23. (深刻度★☆☆☆☆) 
※画像あり
January 07, 2013 Reported By: AP_AP_ALL_DAY_28 — Santa Maria California United States of Americaさんの投稿
彼らは自分たちが何をやっているのかを理解できていない。
12月初旬、カリフォルニア州ニューポートビーチにあるPSA/DNAにイチロー・スズキのサイン入り野球ボールを送りました。先週、そのボールが戻ってきたのですが、その鑑定レターには「あなたが提出したイチロー・スズキのサイン入り野球ボールについてですが、検査の結果、本物と認めることはできませんでした」、と書かれていました。そのイチローのボールは、彼がマリナーズに入団した、2001年3月の春季トレーニングに行ったときに手に入れたものです。その時、イチローはボールにサインをしてくれ、私は彼の目の前に立っていたのです。76ドルも費やしたのに、1セントも戻ってこないとは。専門家と呼ばれる人たちは何もわかっていないし、少なくとも私のボールをチェックした人間はそうだった。
損害額76ドル。

https://www.ripoffreport.com/reports/professional-sports-authenticator-psa/newport-beach-california-92658/professional-sports-authenticator-psa-they-dont-know-what-there-doing-newport-beach-c-992878

■事例24. (深刻度★☆☆☆☆) 
November 10, 2012 Reported By: Johanna Hierro — Laveen Arizona United States of Americaさんの投稿
PSA/DNAが2012年の11月10日にアリゾナ(のコンベンション)にやってきていたので、私は夫とともに、RG3(アメリカン・フットボール選手のロバート・グリフィン3世)のサインの入ったヘルメットを認証してもらうために持っていきました。彼がレッドスキンズの試合に参加している時の写真、航空券、試合のチケット、そしてロバート・グリフィン3世が私の夫のためにヘルメットにサインをしている写真も持っています。列に待っている間にPSA/DNAから渡された申し込み書類にサインをしたのですが、返金はできないこと、そして認証書や認証ステッカーが発行されなくても料金は全て私たちが負担することなどが明確に述べられていました。
私たち夫婦は認証ステッカーも真贋判定書も発行されることを確信していたのですが、二十分後に電話をかけてきて、「我々がチェックした中でサインに気に入らない箇所があった」と言い出しました。私たちは、ロバート・グリフィン3世が夫の前でヘルメットにサインをした証拠を見てみたいかどうかを尋ねましたが、彼らは「写真などは何も気にしない、そのサインの背景にある情報を私たちは考慮しない」、と言ってきました。
お分かりのように、これは実に失望を覚えることで、私は正義がどこにあるのだろうか?どうすればこのように露骨に人からお金を奪うことができるのだろうか、と思いました。最後にこのように伝えてきましたが、これは公正なことなのでしょうか?
「申し訳ありませんが、私たちの評判が何よりも重要であるという事実の為に、私たちはこのサインを後押しすることができません」
サインが本物であると認証しようがそうでなかろうが、彼らは人々からたくさんのお金を奪っています。正義が下されることを!お時間を頂きありがとうございました。
https://www.ripoffreport.com/reports/psadna/internet/psadna-collecting-minimum-of-3000-to-see-signed-sport-objects-internet-967450
※このエピソードは実に示唆的です。「RG3のサインというものは必ず我々のデータベースにあるものと合致しなくてはならず、ほんの少しでも違っていたらそれらは偽物」とする設定条件そのものにまず無理があります。サインとは本来、形状が固定化されているものではなく、状況、年代、そしてセレブリティー側の気分などによって時に変幻自在性を含むものです。つまりは状況や経路といったものも含めた総合的な視点もなしに正しい判断など下せるはずもなく、本来はそれらも加味されるべきものです。PSA側は「自分たちの評判が重要」という説明ですが、こうしたあまりにも一方的に過ぎる不可解な判定の積み重ねが、むしろ逆の効果を生んでしまっているのでは?そう思わざるを得ません。

■事例25. (深刻度★★☆☆☆) 
October 09, 2014 Reported By: Orosco — San Diego California United States of Americaさんの投稿
PSA DNAのオープンハウスに、私の持っているマイク・タイソンのサイン入りアイテムを認証してもらいに行った。190ドルを支払った後、彼らは私が持っていったアイテムが偽物であると判断しました。私はこのイベントのオフィシャル・イベント・コーディネーターです。従って全ての商品は私の目の前でサインがされているにもかかわらず、です。私はサインを裏付ける証明も写真も持っていましたが、PSAはそれらを偽物と判断しました。この会社は使わないでください。
損害額190ドル。

https://www.ripoffreport.com/reports/psa-dna/san-diego-california-92101/psa-dna-went-to-get-my-items-authenticated-at-a-psa-open-house-after-payimg-19000-they-853815
※タイソン氏を招いたサイン会の主催者がご本人から直接入手しているサインに対してまで、なぜかイチャモンをつけてくるPSA/DNA。言いがかりにも程がありますが、ホントに大丈夫な人たちなのでしょうか?



なお、アメリカ最大の苦情通報サイトとしては、非営利団体のベター・ビジネス・ビューロー(通称BBB。アメリカ商事改善協会)が挙げられます。これは企業と消費者の間に発生したトラブル解決に寄与するための消費者保護サイトであり、我が国の消費者庁管轄の越境消費者センター  国民生活センターとも提携関係にあるしかるべき団体といえますが、ここでのPSAに対する評価は以下の通りとなっております。公開されている過去三年分だけでも、100件以上のクレーム報告、という現実が示されています。
https://www.bbb.org/us/ca/santa-ana/profile/collectibles/collectors-holdings-inc-1126-13083567

また、より一般的なサイトからも自分なりに判断してみたい、という方にはやはりGoogleの口コミ、ということにはなるのかもしれません。ここにも60件を超える口コミが寄せられています。
Professional Sports Authenticator (PSA) - Google マップ
これを見て、さすがは直筆サイン業界で絶対的な信用を得ているPSA!と思われるのか、やっぱり誰かから聞いていた話とは全然違うぞ!と思われるのか否かは、あくまでもその人の感性や良識次第です。日本語で読める投稿もありますので、あとは各自にてご覧ください。


★アメリカのコレクターたちの体験談から改めて見えてくること。

 ここまでの内容は、様々な海外サイト上で確認できる、合計数百件にも及ぶPSAに対するクレームのごく一部を翻訳したものですが、とりわけ、事例17.の「マリリン・モンロー偽サイン事件」へのつれない対応には、驚きを禁じ得ません。PSAの鑑定サービスを利用した結果として、顧客は百数十万円の損害を蒙ることになってしまったのに、「これからも弊社のサービスを引き続きご利用ください」、と言って1500ドル分のクーポンを渡されても、この被害者が再び利用したいと思うのでしょうか?そして最も多いクレームのパターンは、やはりここでも同じです。
自分自身が直接もらったサインに対して、筆跡鑑定のプロと称しているPSA/DNAが「これは偽物である」という完全に誤っている鑑定結果を示し、それでいて高額な鑑定費用だけはきっちり請求してくるので、利用者は大きな怒りや不満を抱く
というお決まりの流れです。専門外の分野や追っかけなどで入手された、いかにも乱れたような筆跡パターンならともかくとして、彼らが社名の中で「プロフェッショナル」であると名乗っているスポーツ鑑定、しかしもファンフェスタやサイン会経由といった、実際にはかなり丁寧に書かれたであろうはずの筆跡に対しても不可解な判定を繰り返し、消費者やコレクターたちからの様々な不信を買ってきた様子が、これらの体験談からもやはり伝わってきます。

 そして、誰が言い出したのかはわかりませんが、なぜか「PSA/DNA鑑定は絶対的」という、日本ではしばしば使われているお約束のフレーズ。これが、いかにその実際の姿からはかけ離れ、日本では独り歩きしてしまっているのかについても、ここまでお読みになった方であれば、さすがに理解が及ぶはずです。

 PSAのような幅広い分野のサイン鑑定を受け付けしている会社が、実際にはこれまでにも無数のミスや不可解な判定を繰り返してきた歴史があるのは、まともな人脈を築き、まともな情報に接したりして基礎的な素養を蓄積してきたオートグラフディーラーであれば、本来はわざわざここであれこれ事例を挙げて解説するようなことでもなく、いわばごく常識的な知識です。そして人並み程度の情報収集能力を持っている英語圏のコレクター、あるいは本当にネイティブレベルの英語力を持っている人間であれば、その多くがインターネットやコレクター間の口コミなどを通して、その看板とのギャップをある程度は見聞していることでしょう。

 翻って、日本。ここでは、どうやらかなり状況が異なるようです。PSAにとって、まさしくこの黄金の国ジパングこそは茫洋たる希望にあふれた、理想的な伝道の地、なのかもしれません。なんといっても英語がよく読めないばかりに、本国での傷だらけの横顔に何ら気付かないまま、あたかも聖人のように崇めてくれる人たちで溢れているのですから。そして本当に何も知らないのか、あるいはひたすら知らないフリを決め込んでいるのはよくわかりませんが、あたかもPSAの鑑定は絶対正確なサービスであるかのように日本語で宣伝し、その見解を基に、何やら同業者の評判を貶めることに情熱を傾けているような鑑定代行業者まで、この日本では現れているようです。世界的に見ても極めて珍しい、この種の人物にかかっては、
「聖なるPSA/DNA様の前に畏れ多くも偽物サインを持ってくるとは!あなた方はほとんど犯罪者みたいなものなんですよ!偽サインを鑑定依頼してきた罪の意識をちゃんとお持ちなんでしょうか!」
と、口コミサイトで被害の実体験を訴えているアメリカのコレクターの方々に対してまで悪態をついてしまうのかもしれません。何かの宗教ではありませんが、自分が信じる対象が全知全能であることを頑なに信じ込んでしまう原理主義的な思考というのは、ひょっとしたら人間を攻撃的にさせてしまうものなのかもしれません。だとすれば、実に怖いものです。

 現地口コミが示すこれらのカオスな状況を招いている根源がどこにあるのかは、ここまでお読みになった方であればもはや誰の目にも明らかです。つまりは、その表向きの宣伝文句とは裏腹に、サインの真贋に関してイエスかノーかと答えて手数料を得るPSAのビジネスにおいて、あらゆる年代やジャンル、国籍も問わずに幅広く受け付けしながらも、あわせて高度な正確性も保つという壮大な試みは、かねてより破綻してしまっているということです。
 しかしながら売り手も買い手もアイテムの価値を高めたり安心を得たりすることに対しては貪欲ではあり、従ってアメリカのディーラーやコレクターの間では、PSA等によるミスがしょっちゅう起きていることは半ば常識として認知されていても、できればそうした会社からの認証を経ておきたいとするニーズがマーケットから消えることも決してない、ということです。

 いずれにしても、PSAは時として消費者やディーラーとの間に様々なトラブルを撒き散らしながらも、一方では親会社のコレクターズ・ユニバースがナスダック上場企業(※2021年2月には上場が廃止されています) であったことによる豊富な資金力と広告宣伝力によって確立してきた知名度を生かし、認証・鑑定によって自らのコレクションの価値を高めたいという市場からのニーズをうまく掬い取り、様々なコレクターアイテムの鑑定・認証ビジネスを幅広く展開してきていることが伺えます。

 参考までですが、以下のURLはニューヨークに拠点を置く著名なオートグラフディーラーのウェブサイトです。ここでは、PSA, JSA, BASといった、「ほとんどなんでも鑑定してくれる会社」に申し込んで得られる判定精度はだいたい三分の二ぐらいだろう。つまり、「本物を本物であると正しく判定し」、「偽物を偽物であると正しく判定する」割合がだいたい全体の三分の二ぐらい。そして「本物を偽物であると判断し」、あるいは「偽物を本物であると認めてしまう」といったミステイクの方の発生比率は合わせて三分の一ぐらいではないか、とする見解を示しています。あくまでも一つのオピニオンとして、ここにご紹介させて頂きます。
https://www.taminoautographs.com/blogs/autograph-blog/autograph-authentication-where-to-get-autographs-authenticated-in-person 

 なお、当店では上に挙げたような認証会社による不可解な判定の数々をいたずらに責め立てるつもりもありません。不祥事やミステイクは世の中のあらゆる場所で大なり小なり起きており、PSAもまた決して天界の神々などではなく、そこで働く従業員もあくまでもごく普通の人間に過ぎないからです。現実のPSAと虚像のPSA。その認識ギャップを生み出す一つの原因は、実際にはオートグラフ業界の現実がよく見えていないのに、彼らの提供している鑑定サービスがあたかもパーフェクトであるかのような幻想を抱き、そのように国内で宣伝してしまっている人々の存在です。そして当然の話ではありますが、当店ではそうした鑑定会社が認証したものだからそれを全否定する、という考えも全くありません。それらの認証商品の中には、明らかなる本物と思われるサインが多々あり、全体的に、疑義がつく筆跡の比率の方がはるかに少ないのはまず間違いのないところです。一方では口コミサイトで数々の報告がされているように、自分が直接もらった本物のサインをなぜかPSAに偽物だと告げられ、それでいてこちらが抱いた不満には一切構わずにお金だけは毟り取られてきたアメリカの消費者たち。あるいは、彼らの判定ミスや不可解な一方的見解によって信用を毀損されてきた真っ当なビジネスを行っているディーラーたち。実際にはPSAに対して厳しい視線を向けている人々がこのオートグラフの世界には相当な数で存在している以上、いかにもアメリカ資本主義的な強引にも映るビジネスのありようについては、一人の日本人の感覚として、どちらかといえばあまり肯定的に見ることができない、というのが当店の見解です。

 ちなみにこれまでに説明してきたような米国消費者からの声のみならず、次ページの■事例28にて詳しく説明しておりますが、カリフォルニアの裁判所ではPSA/DNAが当店の取引先から提訴され、真贋判定結果をいかにして不正に操作してきたのか、その実態も明るみにされてしまっております。司法の場で改めて明らかになった、およそ公正とは思えないそれらの鑑定手法のありようなどを鑑み、当店ではこれらの第三者認証会社の発行する書類を添付して販売することは既に廃止しております。従って、どうしてもそうしたどこかの認証会社の書面付きの商品が欲しい、という方は、是非ともそういう商品を提供しているところからお買い求めください。当店が取引先としているのはUACCのRDやその他業界内でしかるべき地位や評判を得ているディーラー及び個人がメインですが、本当に誠実な人々は例えビジネスは小規模であっても、ある程度自らが専門性を持つ分野のみに特化し、むやみに取り扱いのフィールドを広げることを行ってはいないものであり、この世界で親しく付き合うべきはむしろそうした人たち、と当店は考えます。この点、それらの人々と、ビジネス拡大志向が強いように映る大手認証会社とは明白な違いがある、ということは、ここに付け加えさせていただきます。

更なる追加情報は以下にも掲載してあります。
カリフォルニアの裁判所にて明らかにされたPSA鑑定の実態、FBIによるPSAへの捜査といった情報も掲載してありますので、ご興味がありましたら引き続きお目通しくださいませ。

『PSA/DNAの実相3〜米国サイトから読み解く、その遠景』
●判定ダブルスタンダード編
http://www.auto-mania.com/html/page35.html 
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http://www.auto-mania.com/